子どもの登下校時の不安をICTでサポートする「児童見守りシステム」という仕組みがあります。地域の特性やニーズ、関係者の協力体制などに応じて様々なバリエーションがあり、導入する場合にはそれぞれの特性を把握した上での選択と運用体制を構築する必要があります。
技術的には、子どもの現在地をリアルタイムで確認できる「GPS」タイプ (キッズスマホもここに含みます) と、特定の場所を通過したかどうかをトラッキングする「電子タグ」タイプの2種類あります。
GPS (子どもが持つ端末からデータを送信)
「GPS」タイプの大きな特徴は、リアルタイムに詳細な現在地を把握できることにあります。携帯電話回線を使い、定期的にGPSで取得した現在地データを送信し、スマートフォンのアプリなどから保護者が確認することができます。比較的低料金のトラッカーから、通話機能も備えたトラッカー、スマートフォン型のキッズスマホなどあります。
欠点は、定期的に充電をしなくてはならないことと、運用費用です (ひとりあたり月額500円前後)。
トラッカータイプだけでも多くの会社から提供されています。
- GPS BoT / BoTトーク (ビーサイズ株式会社)
- みもり (ドリームエリア株式会社)
- まもサーチ (株式会社IoTBank)
- みてねみまもりGPS (株式会社ミクシィ)
- Soranome (株式会社グローバルコネクション)
- otta GPS見守りサービス (株式会社 otta)
- キンセイGPS (株式会社ハムステッド)
- goo of things いまここ (NTTレゾナント株式会社)
- みまるく (モリトジャパン株式会社)
- FamilyDot (ソースネクスト株式会社)
- amue link (ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)
電子タグ (特定の場所に設置した受信機からデータを送信)
「電子タグ」タイプは、大型ショッピングモールなどに設置されている万引き防止システムに類似しており、特定の場所に設置した受信機の前を電子タグが通過したかどうかをトラッキングする仕組みです。GPSトラッカーの欠点とは異なる、充電が不要な点と安価な運用費用にあります。近年では、Bluetooth Low Energy (BLE) の技術を使ったタイプも出てきています。
「GPS」タイプは個人向きに対し、「電子タグ」タイプは多くの自治体での導入実績があります。
参考: IoT活用の小学生見守りサービス、和歌山市が11月までに本格運用
一方、欠点は、現在地は確認できないことと、受信機の設置場所しか確認できないことにあり、地域での取り組みが求められています。
「電子タグ」タイプは以下のような会社から提供されています。
- otta BLE見守りサービス (株式会社 otta)
- 登下校ミマモルメ (株式会社ミマモルメ)
- ツイタもん (特定非営利活動法人ツイタもん)
防犯カメラ (顔認証)
「GPS」タイプや「電子タグ」タイプとは異なり、子どもに何も持たせずに済むシステムに防犯カメラがあります。顔認証システムによってカメラに映し出された個人を特定し、特定した時点でLINEなどに通知を送る、という仕組みです。
導入費用や運用費用が高額になり、ビジネス向けのサービスです。